機動捜査隊で使われている「機動捜査用車」について考える




今回は、これまでとは趣旨を変えた記事となります。
全国の機動捜査隊で使用されている「機動捜査用車」の歴史をさかのぼってみます。
この記事では、なるべくわかりやすい言い回しをするよう心がけていますが、警察車両の趣味を始めたばかりの方にはいくらか難しい表現があるかもしれません。

(この記事は随時加筆していきます)

機動捜査用車の登場

機動捜査用車とは、全国の警察本部に設置されている「機動捜査隊」で使用することを想定した覆面パトカーのことです。覆面パトカーを含め、警察車両はすべて入札でメーカーが決まります。
「機動捜査用車」という文言が入札公告に初めて登場したのは、2000年のことでした。それまでは「私服用セダン型無線車」というカテゴリーの中に、機動捜査隊向けの仕様(※)が存在していました。
(※捜査用車(機捜隊用)という名称で呼ばれています。)

図 2000年を境に起こった変化
(注:機動捜査隊で使用される車両には、「広域機動捜査班用車」というものも存在しますが、上図やこの記事内では省略していることをご了承ください。)

別表 1999年度以前に捜査用車(機捜隊用)として導入された車両

年度 車種
1994年度 7代目ギャラン(4WD)
1995年度 BDレガシィ(LX)
1996年度 CDアコード(2.0EX)
1997年度 キャバリエ
1998年度 キャバリエ
1999年度 U14ブルーバード・ルグラン

注:編集部で把握している分のみ掲載しています。

 

機動捜査用車の変遷

2000年から誕生したこの枠は、機動捜査隊で使用する車両として2500ccクラスのセダンを仕様書に記載していたのではないかと推測しています。機動捜査隊で活躍する「機動捜査用車」といえばスカイラインが圧倒的なシェアを占めていました。2000年のER34後期型に始まり、2001年〜2006年にかけてV35型が前期・中期・後期・最終と全モデルが導入。2007年〜2012年まではV36型が前期・後期と導入。しかしスカイラインがV37型へモデルチェンジするタイミングで、2500ccクラスの機動捜査用車枠で日産車の導入は一旦途絶えました。

ここぞとばかりに入ってきたのがトヨタとスバルでした。トヨタはマークXを2WD/4WDと揃え、スバルはお得意の4WD枠で健闘。
その後、ティアナがL33へモデルチェンジしてから再度日産がこの枠に入ってきました。(4WD設定が無いため、駆動方式指定なしの枠のみで導入)

トヨタといえばアリオンを圧倒的な強さで導入しつづけていることで有名です。マークXも2012年に初めて採用され、2019年度まで毎年導入が続けられています。2WD/4WDどちらも導入されているため、全国で見ることができます。機動捜査隊で活躍する車両といえば、マークXとティアナが二大巨頭となっているのが現状です。

特別だった年

2005年

順当にスカイラインが入るかと思われた2005年、衝撃が走りました。なんと、インプレッサWRX(GDA型・鷹目)が導入されたのです。スポイラーレスで廉価な仕様に抑えられたり、バケットシートに現場から不評の声が上がったりもしました。
「2500cc」という仕様書の基準をクリアするために、「2000ccだけどターボつければ出力は基準満たすでしょ?」というノリで応札したとかしなかったとか。あくまで噂の域です。

2009年

某雑誌では「サッチョー(=警察庁のこと)大盤振る舞い」と評されるほど、国費で警察車両が大量に導入された年です。この年はスバルが4WD指定で落札し、全国に57台+584台も配備されました。当然、600台以上全車が機動捜査隊に配備されるわけもなく、本部や警察署にも2500cc・ターボのハイスペックセダンが配備されることとなりました。ある意味で「転換点」となった年ですね。

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突然584台もの大量導入。BMレガシィ覆面は全国に。

2018年8月30日

なお、2004年・2008年にも4WD指定でスバルが落札しておりBLレガシィが導入されています。しかし少数であること、4WDで全国的に見られないことからあまり話題にはなりませんでしたね…。いずれも2.0GTのターボ仕様で導入されています。

まとめ

全国の機動捜査隊で使用されている「機動捜査用車」について横断的に解説してきました。このような形の記事はあまりネット上に出回っていないかと思います。今後も、マニアックな情報はもちろん、体系的・横断的に解説する記事を書いていきたいと思っております。リクエストや情報提供などはTwitter等から受け付けております。

(この記事は随時加筆していきます)