コワーキングスペースのビジョンと現実の乖離を反省してみようか




コワーキングスペースのビジョンと現実の乖離を反省してみようか

第1節 現実との乖離

コワーキングスペースの運営者によくある悩みの一つ。それは「ビジョンと現実が違う」というもの。何が違うのか。「オープン時に想定していたのとは違う客層になっている」ということだ。
例えば、オープン時には「起業したいと思っている会社員」や「経営者・個人事業主」に来てもらいたいと思っていたとする。しかし、蓋を開けてみれば意外と「主婦」や「学生」が多かったりする、というパターンもある。
もちろん、様々な人に来てもらうことができれば、新しいモノが生まれやすくなるのは事実である。それを狙うのも悪くはない。しかし、想定とは違う方向に向かっているのは良いことばかりを生み出すとは言えない。

第2節 なぜ乖離が起こるのか

一言で言ってしまえば、ターゲットを明確にして追いかけることができなかったからである。運営者側として「どんな人に使って欲しいか」を突き詰めていく必要がある。さらに、そのターゲットに合わせた施策及びプロモーションを実施していくのだ。

第3節 どのように考えていくか

ここでは「起業したいと思っている会社員」を主なターゲットと仮定する。

(1)「彼らが変わるきっかけ作りの場」とする。
なぜなら、彼らは雇われの身から脱却し経営者へと「変わる」ことを望んでいるからだ。(それが顕在的か潜在的かという違いはあるが。) その「きっかけ」となり得るのは「この人はすごいな」と感じる人物と実際に会うことである。ビジネスに直結するセミナー、イベント、または交流会等を企画するのも良いだろう。
注意したいのは、”ビジネス感満載”にならないようにするところだろうか。もちろん、各スペースで運営の方針はあるだろうが、あまりにも偏り過ぎる(ガチガチに固められている)とそれに合致しない人は入りづらくなってしまう。そう望んでいるならば、それはそれで構わないのだが。

(2)内部的な施策を行う。
内部的な施策とは、価格・立地・館内環境・つながり・設備を整備・改善することである。「立地」を変えることのできるスペースはまずないだろう。だが、料金プランを少し改定したり、ユーザーが使いやすいように館内の配置を変更したりすることはできるかもしれない。つながりが生まれやすいように、オーナーやマネージャー級がまず動き出せるかもしれない。

(3)理由付けをする。
前項で考えた、「価格・立地・館内環境・つながり・設備」を度外視してでも、人々が来る理由付けをしたい。大事なのは「売れる理由を考える」ことだ。「なぜ売れないのだろう」と考えたところで、売れないという現実は変わらない。「売れない」理由を改善することも必要なのだが、それ以上に「売れる」理由を突き詰めて考え、打ち出す方が効率が良い。
あるスペースでは「立地と設備」という組み合わせてアタックしていき、別のスペースでは違う組み合わせでアタックできるかもしれない。
例えば、ワンデイチケットを配る時のことを考える。来たくなる理由を箇条書きにして、「ただなら行ってみようかな」と思わせる。実際に来たところで「意外とすごくないか?入ってみようかな?」と思ってもらえればこちらのもの。スポット料金を比較的高く設定している場合、1日単位で使うよりは会員となった方がお得ですよ、というPRにつなげることもできる。

(4)幽霊会員をどう考えるか
シェアオフィスがメインだったり会員の母数が数十名の場合は直面しないかもしれないが、俗に言う”幽霊会員”の扱いに迷っているスペースもあるかもしれない。この時に考えるのは「彼らがターゲットにマッチするか」という点だ。マッチする人が6割、いや7割いるならば彼らにアプローチしていくべきだろう。”幽霊会員”のほとんどが、本来のターゲットとかけ離れているのであれば、”捨てた”としても問題ないとも考えられる。
一方で売上という面だけで考えれば、自動的に毎月の売上に貢献してくれているのだから、そもそも彼らに触れなくても良いという考えもあり、そこは各自に任せたい。

第4節 外部の施策とプロモーション

外部の施策とは、「使ってもらう前提でターゲットを誘引すること」だ。例えばビジネスに関連するセミナー、名刺交換会のような交流会などを開催し、”外部の要因”によってターゲットにスペースを利用してもらうのだ。この時に重要なのは、「ズバズバ刺さるネタを提供する」ことだ。マスな需要に応えるもよし、ニッチな部分に切り込むもよし。そして、これらの上に「プロモーション」が乗っかってくる。あるイベントに対して、「じゃぁ今回はInstagramで行きましょう」とか「今回はFacebookで拡散を」という具合だ。

第5節 プロモーションの質とタイミング

ターゲットに合わせて質と、告知のタイミングを考える必要がある。
・質。極論、主婦層向けであればレストラン紹介などでも十分。自分たちは流行の先端を行っている、というアピールができるからだ。一方で「起業を目指している」ような人には「ビジネスネタ」が響くだろう。どちらの層にせよ、人々が何に興味を持っているのか、アンテナを張る必要はある。
・タイミング。ビジネスマン向けであれば、朝8時まで・昼の12時・夕方6時以降といった時間帯が有効と言われている。主婦層で言えば、昼下がりの時間帯も効果的だろう。

質とタイミングを考えて、ターゲットにアプローチしていくという点を考えたが、もうひとつ注意したいポイントがある。
ブログは押し付けの内容でも良いが、SNSは投稿を見る人の興味を引く内容にしなければならない。

まとめ

今回はコワーキングスペースにおける、ビジョンと現実の乖離について考えてみた。あくまで入り口が「乖離」としただけであって、新規のユーザーを増やすという観点でも参考になれば幸である。